こんにちは!香織です。
今回は、アロマテラピー発祥の地であるフランスのアロマテラピー事情についてご紹介します?
アロマテラピーという言葉はフランスで生まれました。でも、フランスのアロマテラピーは、日本で良く知られているアロマテラピーとはちょっと違うんです!
独自の発展を遂げたフランスのアロマテラピー事情を、歴史と共に紐解いていきましょう(^▽^)/
アロマテラピーの誕生
アロマテラピー(Aromathérapie)という言葉は、フランスの化学者ルネ・モーリス・ガットフォセが著書『Aromathérapie』のタイトルで用いた造語です。
それまでも、フランス、イタリア、イギリスを中心に精油は香水として取り扱われていましたが、精油に医療的な効果があることに注目し、アロマテラピー(Aromathérapie)という言葉を初めて用いたのはガットフォセでした。
フランスではその後も、軍医ジャン・バルネ(1920-1955)が第二次世界大戦中に精油を薬剤として用い、1964年に『AROMATHERAPIE』を出版するなど、精油を薬として医療に用いる研究が引き継がれてきました。
そして現在、フランスでは、アロマテラピーは医療として認められており、精油は医薬品と同じように扱われ、品質管理の規定も厳しく定められています。
医師や薬剤師の調合のもと、精油を飲み薬や塗り薬として、薬と同じように処方する医療機関もあるそうです。
このフランス式アロマテラピーは、メディカルアロマテラピーと呼ばれています。
ちなみに、日本でよく知られているリラクスゼーションを主な目的としたアロマテラピーは、イギリス式アロマテラピー(ホリスティック・アロマテラピー)と呼ばれています。
実は、このイギリス式アロマテラピーであるホリスティック・アロマテラピーも、フランスで誕生したもの。
フランスはアロマテラピーの誕生の地と言っても過言ではありません。
フランスでアロマテラピーが生まれた理由
そもそも、なぜフランスでアロマテラピーが生まれたのでしょうか?
それは16世紀に遡ります。
その頃、ヨーロッパでは王侯貴族たちが競うように贅沢を極め、香水や香料の文化も花開きます。
イタリアや、フランスのグラース(プロヴァンス地方)では、香料の原料となる植物が盛んに栽培されました。
17~18世紀にかけて、ルイ14世がグラースの香水産業を奨励したことで更に発展し、グラースは現在も香水生産世界一を維持しています。
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香料の原料植物のうちの一つにラベンダーがあります。
南仏プロヴァンスといえば、ラベンダーを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
グラースが位置するプロヴァンス地方で、ラベンダー生産が盛んなのは、そんな歴史的背景があるからなのでした。
ラベンダーには優れた抗菌作用があるため、フランスでは古くから家庭薬として用いられていました。
アロマテラピーという言葉を生み出したガットフォセも、化学実験中に火傷を負った際、身近にあったラベンダー精油を火傷箇所に塗ったところ、治りが早かったことから、精油の薬理効果の研究に没頭しはじめたといいます。
ラベンダー精油が生活に根付いていたフランスで、アロマテラピーが誕生したのは必然的な流れでした。
フランス生まれイギリス育ちのホリスティック・アロマテラピー
フランス以外の国でも精油の医学的効果の研究は進みました。
1920年代にはイタリアの医師ジョヴァンニ・ガッティとレナート・カヨラが、治療効果、神経系への作用、スキンケアへの応用などを共同研究。
1970年代には精油の香りがうつ病などに効果があることが判明し、ミラノのパオロ・ロベスティがかんきつ類の精油が特に有効であることを、世界で初めて臨床例とともに発表しました。
そんな中、1960年代のフランスで、精油を植物オイルで希釈し、マッサージすることで精神と肉体のバランスを整えるという新しい健康法がマルグリット・モーリーによって提唱されました。
モーリーの考え方をまとめた著書『Le capital ‘Jeunesse’(最も大切なもの…若さ)』が1961年に出版され、英訳された本書はイギリスで広く受け入れられます。
モーリーによるリラクスゼーションを中心としたアロマテラピーはホリスティック・アロマテラピーと呼ばれ、フランスで発展してきた薬理効果重視のアロマテラピーとは違い、医療従事者以外でも手軽に取り入れられる方法です。
フランスでは医療行為としてのアロマテラピーが根強かったため、ホリスティック・アロマテラピーはイギリスで花を開きました。
イギリスで花開いたホリスティック・アロマテラピーは、1960年代から1980年代にかけて、シャーリー・プライスやロバート・ティスランドらによって育まれ、スクールを開設、多くのアロマセラピストが輩出されます。
日本におけるアロマテラピーは、このイギリス式アロマテラピー(ホリスティック・アロマテラピー)の流れを汲むものです。
フランスのアロマテラピーの今
アロマテラピーは現在、イギリス式アロマテラピーと、フランス式アロマテラピーの2つが存在します。
イギリス式アロマテラピーは、ホリスティック・アロマテラピーの流れを汲んだ、美容やリラクスゼーション目的のアロマテラピーです。精油を使ったマッサージがメインとなっています。
フランス式アロマテラピーは、メディカルアロマとも呼ばれ、精油の薬理効果を重視し、病気の治療や予防、症状の緩和を目的とし、医療行為として定義されているアロマテラピーです。
フランスでは、精油は薬局で販売され、医薬品と同様に扱われています。
先ほども触れたとおり、医師や薬剤師の調合のもと、精油を飲み薬や塗り薬として、薬と同じように処方する医療機関もあるそうです。
しかし、病院で一般的な治療方法としてアロマテラピーが用いられているわけではなく、日本における漢方のように、あくまで、自然療法の選択肢のうちの一つという扱われ方のようです。
フランス式アロマテラピー(メディカル・アロマテラピー)に関しては、ナード・アロマテラピー協会などで詳しく学ぶことができます。
興味がある方は、公式サイトをのぞいてみてくださいね!
ナード・アロマテラピー協会 公式サイト:http://www.nardjapan.gr.jp/
まとめ
アロマテラピー発症の地 フランスのアロマテラピー事情
アロマテラピーの誕生
フランスでアロマテラピーが生まれた理由
ホリスティック・アロマテラピー
フランスのアロマテラピーの今
今日本で行われているアロマテラピーは、フランス生まれイギリス育ちのイギリス式アロマテラピーだったんですね!
アロマテラピー検定1級取得済みの私も、実は今回の調査で初めて認識しました(;^_^A
かたやアロマテラピー誕生の地、フランスではメディカルアロマという、医学的な面で研究が進んだアロマテラピーが根付いていました。
日本でもメディカルアロマは徐々に浸透しています。
近年発行されているアロマテラピー関連の本には、ホリスティック・アロマテラピーの流れを汲んだアロママッサージの方法とともに、これまで研究され、実証されてきた精油の薬理効果を、危険のない範囲で上手に利用する方法が紹介されているものが少なくありません。
日本で精油は雑貨として扱われているため、きちんとした効果が得られない化学的に調合されたアロマオイルも流通しています。
そのため、メディカルアロマを生活に取り入れるのは自己責任ということになってしまいますが、学ぶ場は用意されているので、正しい知識で、快適にアロマテラピーを楽しみましょうね(^▽^)/
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【注意事項】 ※アロマオイルを購入するときは「精油」(純粋に天然のものから精製されたオイル)と書いてあるものを選びましょう。化学物質で香りをブレンドされた天然由来でないものもアロマオイルとして販売されている場合があるので注意しましょう。 ※アロマオイルは成分が大変濃縮されたオイルです。肌に塗ったりする際は、必ず薄めて使用しましょう。 ※お年寄りや既往症がある方は、敏感な体質の方は、香りに反応しやすいこともあるので十分注意して使用しましょう。また、妊婦、3歳未満の乳幼児にはアロマオイルの使用は控えましょう。 ※レモン、グレープルーツなどのアロマオイルには、光毒性があり、皮膚に塗布した状態で日光などの強い紫外線と反応することによって、皮膚に炎症をおこすこともあるので、十分ご注意ください。 |